

農民・職人の労働着は、室町時代、細袖(手細)、袖なし(手無)の衣に袴をはくスタイルが主流だったが、やがて上衣の丈を長くした小袖を、袴なしで着る小袖着流しが多くなっていった。女性の場合は早くから小袖の一枚着が多く、これに腰布(褶=しびら)を巻いたが、室町時代の終わりぐらいからは前掛けをかけるようになり、何もつけない一枚着が主流になっていった。子供たちは、男女とも小袖着流しだった。
庶民階層が力を得るにしたがい、豊かな女性は小袖の上に打掛を着たり被衣をかぶったりし、男性もかしこまった場には小袖に肩衣袴をあわせるなど、武士や武家夫人の服装と同様の出立ちをした。そして台頭する町人たちは遊楽を享受する者ともなり、派手な格好を好むものも出てきた。
また、働く庶民は古来から首のあたりで髪を束ねていたが、室町時代、京の桂川で鮎をとる女たちが始めた桂包のように、女たちは白布で束ね髪を包んだりした。履物は草履や下駄、長時間の歩行には草鞋をはいた。
この時代の庶民たちの姿は、職人尽絵や遊楽図など、当時の風俗画に興味深く描きのこされている。
なお、木綿は室町時代に登場するが、栽培が定着し広く流布するのは江戸時代に入ってからであり、それまで庶民の衣服の素材は麻が中心だった。
解説:小袖|打掛|腰巻|肩衣袴|帷子|陣羽織|足駄・草履|被衣|結髪
夫人の衣|武士の衣|能装束
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