

海北友松 網干(あぼし)図(御物 宮内庁)
六曲一双 金地著色
桂の宮家伝来の屏風絵。海浜に漁の干し網をいくつか配したものを網干(あぼし)図といい、これはやまと絵山水図の画題のひとつである。しかし、この友松筆では芦や干し竿の描法に漢画的手法を用いて旧来のやまと絵とは異なる効果をあげている。右隻に青々と茂る芦、左隻には稲穂や紅葉、さらには雪化粧までを配し、四季を背景にさまざまな網干を描いている。また、図柄は単純で素朴だが、細部には精緻な描写がほどこされている。たとえば上部の海景は鋭角的な金雲で装飾化され、垂直に立ち並ぶ網干との対照を際立たせている。海原の境にみられる独特の金地構成など、近世初期の金碧障屏画のなかでも異彩を放つ作品。
関連図版リスト:やまと絵的山水
解説:海北友松|やまと絵的山水
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