

遠州は、本阿弥光悦とともに古田織部門下の逸材として知られている。しかし、遠州が織部に茶を学んだのは小堀作介政一(さくすけまさかず)と呼ばれていた若年時代である。遠州の茶の湯は、いわゆる「きれいさび」と称されているが、それは「春は花に酔い、夏は風に酔い、秋は月に酔い、冬は雪に酔い」という「四酔」に要約されるところの、王朝風雪月花の風情に根ざすものであり、定家流の仮名書、桂離宮に見られる回遊式庭園、中興名物に付した和歌に由来する命名などといった具合に、随所に散見されるものでもある。幕府の作事奉行・造庭奉行として、当然ながら遠州は多くの建築や造庭を手掛けた。そのなかには大徳寺龍光院の「密庵(みったん)」、南禅寺金地院の「八窓の席」、また自邸伏見屋敷の「四畳台目」など、茶室も多い。なかでも「忘筌」「直入軒」の茶席を有する大徳寺孤篷庵は代表的な仕事といってよいだろう。遠州は利休考案による、書院茶否定のシンボルともいうべき台目構えを、あえて密庵という書院座敷に持ち込んだのであるが、孤篷庵ではこれを採用しなかった。これにより、自身の墓所でもある孤篷庵において、遠州のめざした茶室の書院化という目標が達成されたと見るべきなのかもしれない。
関連図版リスト:
置紋 瀬戸大海茶入|
奥田 伯庵茶碗|
春慶文琳 古瀬戸文琳茶入|
伊代簾 古瀬戸尻膨茶入|
伯庵茶碗|
褐釉耳付茶入 銘於大名|
孤篷庵 直入軒次の間 復元図|
茶室 八窓庵|
孤篷庵忘筌|
孤篷庵つなぎの空間等角投象図
解説:
千利休|
古田織部|
きれいさび|
孤蓬庵|
破格の茶|
燕庵|
草庵茶室|
待庵|
武野紹鴎|
四畳半茶室|
村田珠光|
佗び数奇|
大徳寺|
不審庵|
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