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フェリペ2世に「ノー」と言った秀吉
天正遣欧使節の一行が8年の旅を終えて帰国した1590年(天正18)は、すでに織田信長から豊臣秀吉の治世に代わっていました。翌91年3月、秀吉が建立した聚楽第で、使節団との謁見が行なわれ、スペイン国王兼ポルトガル国王フェリペ2世からの品々が秀吉に贈られました。それらは、銀の鐙(あぶみ)をつけ、黒いビロードの掛け布をしたアラビア馬1頭、金銀をちりばめたミラノ製甲冑ひと組、黄金の剣、火縄銃、金色のタピストリー、時計といった豪華な品物でした。一方、秀吉からも刀剣、長刀、象眼細工を施した甲冑ふた組が返礼品として国王に贈られました。
さてこのとき、返礼の品と一緒にフェリペ2世に手渡された手紙のなかで秀吉は、日本は神道と仏教の国であるから、キリスト教の宣教師たちが活動をつづけるのは好ましくないことをきっぱりと記しています。「スペインが動けば世界は震える」といわれたスペイン全盛の時代、しかも残酷な異端審問で名を馳せたカリスマ的独裁者も、こうまでハッキリ拒絶されたことはないでしょうから、さぞや切歯扼腕、怒り心頭に発したことでしょう。アメリカの言いなりになっているどこかの国の首相に、秀吉の爪の垢でも煎じて飲ませたいと感じさせるエピソードではありませんか。
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