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戦国時代の記録(1)『おあむ物語』
中世以来、日本各地に起こった戦争の記録は多数残っていますが、ここでは戦国時代を回想した『おあむ物語』を紹介してみましょう。
これは1600年(慶長5年)の関ヶ原の戦いのとき、石田三成の持ち城大垣城にいた女性の記録ですが、正確に言えば孫にあたる人物が、おあむという女性が繰り返し話していたことを後年、筆記したものです。しかし彼女については、山田去暦という者の娘で夫と死別したのち甥に養われ、寛文頃(1661年〜72年)に80余歳で亡くなった、ということ以外は不明です。
物語は、ちょうどお婆さんがこどもたちにせがまれ、小さい頃の話をするような調子で書かれていますが、勇猛な武将が活躍する武勇伝ではなく、戦乱の片隅に生きた名も知れぬ人々の生活が活写されているのが特徴的です。彼女の家は三百石の知行取りであるにもかかわらず、朝夕の食事は雑炊で昼食も夜食もないこと、13のときの帷子を17になるまで着ていたため、脛がはみだして困ったこと、(戦闘で取ってきた)敵の首をよく洗い、お歯黒をつけて上級武士のように見せかけたこと(あとで高額の賞金を貰えるため)などが淡々と語られ、興味はつきません。
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