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vol.014
01 広重の描いた「木曽路の名所絵」
02 中山道と木曽路
03 木曽路の名所・図絵
04 中山道のイメージを表現した美術館
05 今後のスケジュールなど
木曽路の名所・図絵
東海道や中山道といった「街道」が浮世絵風景版画のテーマとなっていく背景には、江戸初期から刊行された紀行文や道中記、また「図絵もの」と総称される細密な挿絵を付した地誌の存在が大きく関わっています。なかでも、貝原益軒『岐蘇路
(木曾路)
之記』、大田南畝『壬戌紀行』、秋里籬島『木曾路名所図会』などが有名ですが、幕府の制作した「中山道分間延絵図」「中山道宿村大概帳」といった地図や絵図の影響も大きかったと思われます。
しかし木曽路に限定すると作品数はすくなく、わずかに3シリーズを数えるのみですが、そのうち今回出品された歌川広重と渓斎英泉による「木曽海道六拾九次之内」はもっとも有名なシリーズで、広重の代表作である「東海道五拾三次之内」と並ぶ代表的な浮世絵風景版画といえます。ちなみに残りの2つは、三代歌川豊国の「木曽六十九駅」と歌川国芳の「木曽街道六十九次」です。
今回の開館記念展では、世界に7枚しかないといわれる広重の「雨の中津川」、傑作と評価される「洗馬」などをはじめ、「木曽海道六拾九次之内」に描かれた名所の風景をたっぷりたのしむことができましたが、ひとつのシリーズを英泉、広重というふたりの絵師が受け持つというのもちょっと不思議な気がしました。この点を学芸員の菅原さんにうかがうと、最初は広重の「東海道五拾三次之内」で成功した版元の保永堂が、英泉を起用して版行を開始したものの、なんらかの理由で頓挫し、急遽広重がこれを継承する形で完結させた、と推定されているとのことでした。
歌川広重 木曽海道六拾九次之内 洗馬 1837年(天保8)頃 中山道広重美術館蔵
渓斎英泉 岐阻街道 奈良井宿 名産店之図 1835年(天保6)頃 中山道広重美術館蔵
歌川豊国(三代) 木曽六十九駅 大井 西行坂 うつしゑ
中山道広重美術館蔵
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