[ウェブマガジン] WEB MAGAZINE vol.010



第2回「美濃焼の歴史」


01 美濃の土の特徴
02 岐阜県陶磁資料館
03 「せともの」と美濃焼
04 桃山陶以前の美濃のやきもの
05 多様な個性をかたちづくった桃山陶
06 盃と窯元の町・市之倉
07 洋食器の町・滝呂


盃と窯元の町・市之倉

市之倉は多治見市の南部、山間を流れる市之倉川に沿って東西に開けた町で、愛知県との県境にもっとも近いところにあります。鎌倉時代からやきものが作られていた土地ですが、現在の美濃焼の主力製品である磁器の、美濃における発祥の地として知られています。江戸時代後期の1804年、新製焼として美濃で初めて認可された磁器窯で、幕末には幕府や京都御所に納める良品を作ることで有名でした。昔は交通が不便で、磁器に適した土資源も思うように入手できなかったので、小さくて高級な製品をつくるようになり、煎茶用の茶碗や酒器などを生産してきました。なかでも盃の生産量では今でも日本一だそうです。また、明治期にはパリ万国博覧会で名誉賞を受けた加藤五輔をはじめ、多くの名工が国内外の博覧会で受賞を重ねました。その伝統のせいか陶芸作家の数も美濃でもっとも多く、川沿いのメインストリートにはいくつもの窯元が軒をならべ、見ごたえ十分です。   メインストリートをはずれた山手には、市之倉でもっとも長い歴史をほこる窯元・幸兵衛窯があります。風格をただよわせる古陶磁資料館は約200年前の民家を移築したものだそうで、ここには美濃の古陶をはじめ、唐三彩で人間国宝になった6代・加藤卓夫の収集したペルシャ古陶など、数千点もの貴重なコレクションが展示されています。ペルシャと美濃とは思いもよらない組み合わせですが、異国の陶器と日本の陶器が違和感なくならんでいるのを見ると、実に不思議な感じがします。



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