緑豊かな山々に囲まれた多治見盆地の中心を流れる土岐川。この土岐川沿いにひらけた多治見の町は、当地におけるやきものの集散地で、問屋や陶器商が多いところです。JRの駅を出るとさすが、やきものの町らしく駅前広場ではいくつもの陶製オブジェが私たちを出迎えてくれます。駅前から続く商店街〈エルナードながせ〉には陶磁器店が軒をつらね、さまざまな製品がところせましと並んだ店内を見て回るだけで、ついつい時間がたつのを忘れそうです。
土岐川を渡った本町筋は通称〈オリベストリート〉。ここで毎年4月第2土・日曜には「多治見陶器祭り」が開催され、70を越す露店が立ち並ぶ期間中はものすごい混雑となります。この通りには、明治初期から昭和初期に建てられたりっぱな蔵造りの商家が多く、陶磁器文化につちかわれた多治見の歴史を色濃く残しています。
一角には最近、ギャラリーや絵付け工房を併設した〈たじみ創造館〉という名前の蔵を模したモダンな建物が建ち、周辺にも蔵を利用した店や美濃焼のうつわを使った、しゃれた個性的なお店が増えつつあるとのことです。この界隈は、やきもののみならず、衣食住すべてに強い影響をおよぼした桃山時代のプロデューサー・古田織部の精神「オリベイズム」をキーワードにまちづくりを進める、多治見の象徴ともいえる場所です。
|
|


|